どんな本?
42家族の子どもを生後約9ヶ月から3歳まで膨大な録音データをもとに追跡観察した本。
その結論は、3歳までの言葉環境が最終的な学業到達度に大きく影響。
3歳までに聞いていた言葉の量が、9歳10歳時点の言語スキル、学校での成績と相関。
親がたくさん話した家庭の子どもは、学歴・経済的環境に関係なくよくできる。
生後初期の言語環境が一生を左右する
生後初期の言葉環境が、
- 算数
- 空間的推論
- 読み書き
- 自制心
- 粘り強さ
- 倫理観
など様々な側面でその人の可能性がどこまで発揮されるかに影響する。
思考や学びの基礎となる脳の神経細胞のつながりは大部分が生後3年間にできるため、この時期を逃すと取り戻すことはできない。
ではどうすればいい?
「3つのT」を意識して0~3歳までの子どもと向き合う。
Tune In
- 子どもが注意を向けていることに保護者も集中する。
- 子どもがしていることに自分も参加。
- 積み木で遊んでいる子に絵本を読まないかと誘うのではなく、一緒に積み木で遊ぶ。
- 子どもと物理的に目線を同じ高さにして遊ぶ。
Talk More
- 自分&子どものしていることを実況する。
- 目の前のこと以外も話に盛り込む。
- 子どもが発した不完全な文章を膨らませて繰り返す(例:お母さん抱っこ→お母さんに抱っこしてほしいのね)
- 子どもが知っている言葉を使って膨らませる(例:アイスおいしい→この苺のアイスは美味しいね!冷たい)
Take Turn
- 子どもの反応を待って双方向のやりとりにする。
- 話し始めたばかりの子どもは言葉を探すのに時間がかかる。
- 反応の前に言葉を先取りしないように心がける。
- どうやって?なぜ?など答えが決まってない質問を投げるのもおすすめ
話し方のポイント
- 豊かな語彙を使う
- 「これ」「あれ」など代名詞を使わず具体的な名詞で話す
- 赤ちゃん言葉でも良い。
赤ちゃん言葉は、赤ちゃんの耳に受け取られやすくする効果があり、赤ちゃん言葉を多く聞いた子どもは、おとな向けの言葉をより多く聞いた子どもに比べて2歳の段階で倍の言葉を知ってた
- 命令や禁止の言葉が、言葉を習得する子どもの能力を低下させる。
- ただの命令は緊急時以外避け、提案・促しを心がける。
- 指示するときには、理由も説明する(例:「服を着なさい」⇒「お出かけするから服を着替えたほうがいいね。どっちを着たい?」)
褒め方のポイント
- 持って生まれた資質ではなく、努力した過程をほめる(例:頭が良いね⇒頑張ったね)。
- 生後14ヶ月までにほめ方のスタイルは出来上がってしまう傾向があるので注意
- 良い行動をほめる。
- 悪い行動は注意されるが、良い行動については何も言われないので、良い行動だと気づきにくい
デジタル機器(テレビやスマホ、タブレット)について
テレビなど録音された音源では脳が育たないことが実験により分かっている。
子どもは夢中になっているように見えても、脳にとっては一方通行で何の学びも起こっていない=3歳未満の子にテレビでたくさん言葉を聞かせても効果なし。
デジタル時間はできるだけ減らすべし。
子どもは、保護者の注意が子どもに向いているときだけ脳を育てるために必要な集中をする。
スマホ等のデジタル機器は親の注意を奪うため使わない(子どもと遊ぶとき、ながらスマホをしない)
参考
生後すぐから3歳までに保護者が話しかける量が脳の成長にどれだけ重要かを説いた『3000万語の格差』。子どもが喋り始める前からの語りかけが、その後の人生にこれほど影響するとは…読んでよかった。3歳までの子育て中の人は知っておいて損ないと思う。読みにくい本だったのでポイントまとめると↓
— みゆき@8m・ワンオペ育児 (@oneopemiyu) February 13, 2022